うい過払い金|原判決のうち予備的請求に関する部分を破棄する。

過払い金の主位的請求である上告人が,Aの買い受けた土地について,同社の取締役である被上告人に所有権移転登記がされているなどと主張して,被上告人に対し,平成17年法律第87号による改正前の商法(以下,単に「商法」という。」


追及することのできる取締役の責任は,商法266条1項各号所定 の責任など,商法が取締役の地位に基づいて取締役に負わせている厳格な責任(以 下「取締役の地位に基づく責任」という。
)を指すものと理解すべきであり,取締 役がその地位に基づかないで会社に負っている責任を含まないと解することが相当 である。
したがって,本件訴えは,いずれも株主代表訴訟の対象とはならない取締役の責 任を追及するもので,不適法といわざるを得ない。
4 しかしながら,原審の上記判断のうち,株主代表訴訟によって追及すること のできる取締役の責任は,取締役の地位に基づく責任を指すとして,予備的請求に 係る訴えを却下した部分は是認することができない。
その理由は,次のとおりであ る。
(1) 昭和25年法律第167号により導入された商法267条所定の株主代表 訴訟の制度は,取締役が会社に対して責任を負う場合,役員相互間の特殊な関係か ら会社による取締役の責任追及が行われないおそれがあるので,会社や株主の利益 を保護するため,会社が取締役の責任追及の訴えを提起しないときは,株主が同訴 えを提起することができることとしたものと解される。
そして,会社が取締役の責 任追及をけ怠するおそれがあるのは,取締役の地位に基づく責任が追及される場合 に限られないこと,同法266条1項3号は,取締役が会社を代表して他の取締役 に金銭を貸し付け,その弁済がされないときは,会社を代表した取締役が会社に対 し連帯して責任を負う旨定めているところ,株主代表訴訟の対象が取締役の地位に 基づく責任に限られるとすると,会社を代表した取締役の責任は株主代表訴訟の対 象となるが,同取締役の責任よりも重いというべき貸付けを受けた取締役の取引上 の債務についての責任は株主代表訴訟の対象とならないことになり,均衡を欠くこ と,取締役は,このような会社との取引によって負担することになった債務(以下 「取締役の会社に対する取引債務」という。
)についても,会社に対して忠実に履 行すべき義務を負うと解されることなどにかんがみると,同法267条1項にいう 「取締役ノ責任」には,取締役の地位に基づく責任のほか,取締役の会社に対する 取引債務についての責任も含まれると解するのが相当である。
(2) これを本件についてみると,上告人の主位的請求は,Aの取得した本件各 土地の所有権に基づき,Aへの真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記 手続を求めるものであって,取締役の地位に基づく責任を追及するものでも,取締 役の会社に対する取引債務についての責任を追及するものでもないから,上記請求 に係る訴えを却下した原審の判断は,結論において是認することができる。
これに対し,上告人の予備的請求は,本件各土地につき,Aとその取締役である 被上告人との間で締結された被上告人所有名義の借用契約の終了に基づき,Aへの 真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続を求めるものであるから, 取締役の会社に対する取引債務についての責任を追及するものということができ る。
そうすると,予備的請求に係る訴えは,株主代表訴訟として適法なものという べきである。
これと異なる原審の判断には法令の解釈を誤った違法があり,この違 法が判決に影響を及ぼすことは明らかである。
5 以上によれば,論旨は上記の限度で理由があり,上告人の主位的請求に関す る上告は棄却すべきであるが,原判決のうち予備的請求に関する部分は破棄を免れ ない。
そして,予備的請求の本案について更に審理を尽くさせるため,上記の部分 につき本件を原審に差し戻すこととする。

不動産取得税

地方税法は,住宅の用に供する土地の取得に対する不動産取得税の減額について,地方税法(平成14年法律第17号による改正前のもの。以下「14年改正前法」という。)73条の24第1項柱書きにおいて,「道府県は,次の各号の一に該当する場合においては,当該土地の取得に対して課する不動産取得税については,当該税額から150万円(当該土地に係る不動産取得税の課税標準となるべき価格を当該土地の面積の平方メートルで表した数値で除して得た額に当該土地の上に新築した住宅(政令で定める住宅に限る。
以下本項及び次項において「特例適用住宅」という。)1戸について(共同住宅等にあつては,居住の用に供するために独立的に区画された1の部分で政令で定めるものについて)その床面積の2倍の面積の平方メートルで表した数値(当該数値が200を超える場合においては,200とする。)を乗じて得た金額が150万円を超えるときは,当該乗じて得た金額)に税率を乗じて得た額を減額するものとする。」と規定し,同項1号において,「土地を取得した者が当該土地を取得した日から2年以内に当該土地の上に特例適用住宅を新築した場合」と規定する。
千葉県県税条例は,不動産取得税の減額に関して,14年改正前法73条の24第1項1号と同旨の規定として,千葉県県税条例(平成14年千葉県条例第39号による改正前のもの)75条1項1号(以下,両規定を併せて「本件本則減額規定」という。)を定めている。
地方税法は,住宅の用に供する土地の取得に対する不動産取得税の還付について,地方税法73条の27第1項において,「道府県は,土地の取得に対して課する不動産取得税に係る地方団体の徴収金を徴収した場合において,当該不動産取得税について第73条の24第1項第1号又は第2項第1号の規定の適用があることとなつたときは,納税義務者の申請に基づいて,これらの規定によつて減額すべき額に相当する税額及びこれに係る地方団体の徴収金を還付するものとする。」と規定する。
千葉県県税条例は,不動産取得税の還付に関して,地方税法73条の27第1項と同旨の規定として,千葉県県税条例78条1項(以下,両規定を併せて「本件本則還付規定」という。)を定めている。


よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
主文 1 原決定を取り消す。
2 本件を松山地方裁判所に差し戻す。
理由 第1 抗告の趣旨及び理由 別紙「抗告状」及び「抗告理由書」(各写し)記載のとおり。
第2 当裁判所の判断 1 事案の概要 本件は,別紙船舶目録記載の貨物船A(以下「本件船舶」という。
)と漁船 B(以下「本件漁船」という。
)との平成20年10月23日の衝突事故(以 下「本件衝突事故」という。
)により死亡した本件漁船の乗組員であるC(以 下「亡C」という。
)の法定相続人である抗告人が,本件船舶の船長であった 相手方D及び一等航海士で本件衝突事故時の当直航海士であった相手方Eに対 しては民法709条,719条に基づき,本件貨物船の共有者であるその余の 相手方らに対しては商法690条に基づき,本件衝突事故により抗告人に生じ た損害について,別紙担保権・被担保債権・請求債権目録記載の損害賠償請求 権を有するから,本件船舶上に船舶の所有者等の責任の制限に関する法律(以 下「船主責任制限法」という。
)95条に定める船舶先取特権を有していると した上で,本件船舶について,船舶競売の申立て前に船舶国籍証書等を取り上 げなければ船舶競売が著しく困難となるおそれがあると主張して,本件船舶の 共有者らに対し,船舶国籍証書等を執行官に引き渡すべき旨を命ずることを求 めた事案である。
2 原決定 原決定は,本件において提示された資料等によっても,被担保債権の存在 の証明の程度は高度とは認め難い,本件船舶は,少なくとも,毎週1回約1 1時間にわたり特定の港に停泊することが予定されているから,船舶競売手続 の管轄裁判所の特定・固定のために船舶国籍証書等の引渡しを命ずる必要性は 認められない,船舶競売開始決定がなされたときは,相当期間内に民事執行 法189条,114条1項に基づく船舶国籍証書等の取上げを執行することが できるから,船舶競売申立て前に船舶国籍証書等を取り上げなければ船舶競売 が著しく困難となるおそれがあるとも認められないとして,本件申立てを却下 した。
3 しかしながら,原決定の上記判断は是認することができない。
その理由は次 のとおりである。
(1) 船舶競売が著しく困難となるおそれについて(上記2,について) ア一件記録によれば,本件船舶は,東京と那覇を結ぶ定期航路に就航して おり,東京の港(F)を毎週月曜日午後7時に発航し,大阪(G港)に翌 火曜日午後4時に到着,同日午後8時40分に発航し,那覇に翌々日の木 曜日午前7時に到着,同日午後7時に発航し,大阪(G港)に翌々日の土 曜日の午前8時に到着,同日午後0時に発航し,東京の港(F)に翌々日 の月曜日の午前8時に到着する運航予定であることが認められる。


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株主
訴訟
追及

株主代表訴訟
いずれもAが第三者から買い受けてその所有権を取得したものである が,Aではなく被上告人への所有権移転登記がされていると主張し,被上告人に対 し,主位的には,Aの取得した本件各土地の所有権に基づき,Aへの真正な登記 名義の回復を原因とする所有権移転登記手続を求め,予備的には,Aは,本件各 土地の買受けに当たり,取締役である被上告人に対し,本件各土地の所有名義を被 上告人とする所有権移転登記手続を委託し,被上告人との間で期限の定めのない被 上告人所有名義の借用契約を締結していたが,遅くとも本件訴状が被上告人に送達 された時までには上記借用契約は終了したとして,上記契約の終了に基づき,Aへ の真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続を求めている。 3 原審は,次のとおり判断して,本件訴えをいずれも却下した。 株主代表訴訟は,商法が,株主総会の権限を限定し,取締役の権限を広範なもの とするとともに,取締役の特定の行為について,取締役に対し,会社と取締役との 間の委任契約に基づく善管注意義務による責任を超えて厳格化,定型化された特別 の責任を負わせていることを受けて,その責任の履行を確実なものとし,株主の地 位を保護するために設けられたものと理解される制度である。